一般社団法人  雲雀丘安田邸プロジェクト
Association of Project for Yasuda Residence in Hibarigaoka

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Q3.そんなに価値のある建築物なのですか?

日本の住宅史・産業史を語る上で1910-1920年代の建築物として外せないだけでなく、田園調布開発等の郊外型宅地開発による鉄道経営のモデルとなった雲雀丘地区の初期の建物としても重要です。

(1) クィーン・アン様式はアメリカ本土では20世紀初頭以降、日本では1920年代以降、コロニアル・リヴァイヴァル、スパニッシュ・リヴァイヴァルに取って代わられます。ゼツェッションは1920年代半ば以降、アール・デコに吸収されます。すなわち当建築は1910年代の2つの流行の波頭を捉えた造形と位置づけられます。
(2) 1920年代初頭までの住宅建築は東京・横浜においては関東大震災によって大半が失われていて、そもそも遺構が乏しく、当建築のような時代的特徴を備えた作例は稀少です。
(3) 関西においては、有力な住宅設計者のヴォーリズ建築事務所、あめりか屋、大林組住宅部は、上述のコロニアル・リヴァイヴァル、スパニッシュ、あるいはバンガロー・スタイルが多く、クィーン・アン様式の作例は少ないです。
(4) 以上の見地から、単体としても(すなわち地域の景観への寄与という面を除いても)文化財的価値は高いと判断出来ます。

詳細は、以下のPDFをご覧ください。
6月9日の記者発表で配布させて頂いた,当法人理事で武庫川女子大学建築学部の景観建築学科で教鞭をとられている石田潤一郎教授の「旧安田邸の文化財的価値」を述べた資料を公開致します。

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